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英語力の身に着け方

英語力の身に着け方

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途上国で開発の仕事をするには十分な英語力があることが前提と述べました。では、十分な英語力をつけるためにはどうすれば良いのでしょうか。私自身は帰国子女でもなんでもなく、地方都市の公立高校で普通に勉強してきて、東京の私立大学で学びました。それでも、英語力を身に着けようといろいろ試行錯誤して、今日に至っています。自分の経験からだけですが、どうした勉強法が役に立ったかまとめてみます。

読解力を付けるには

高校時代に大手予備校の英語講師から聞いた話ですが、「英文読解力=読んだ英文の量」だそうです。英文の読解力を付ける近道はなく、多くの英文を読みこなして、頭にいろいろな英文のパターンを摺り込んでゆくしかないとのことでした。そこで、大学生時代にはなるべく多くの英文を読むことを努力しました。英書を読ませる授業を選択したり、大学内の語学学校の英文読解の授業を受けたりしました。生協でもらったチラシをみてTIME誌の定期購読をしたり、アガサ・クリスティの原書を買って読んだりしました。

いろいろ試してみて強く思ったことは、英語の分野を限定して読んだほうが良いということでした。アガサ・クリスティの原書は全然ダメでした。内容は面白いのでしょうが、文中にでてくる単語がわからなくて、そのたびに辞書をひいていて、面倒でしょうがありません。大学内の語学学校の英語の授業も、受講生は文学部の学生が多かったため、読まされる本も英文学がほとんどでした。何とかついてゆきましたが、こんな単語や言い回しを覚えても、自分は使わないだろうなと思っていました。自分にとって良かったのはTIME誌で、世界で起きていること、特にアジアの身近な話題は読んでいて面白かったです。使われている単語も、私にとっては比較的なじみのある単語が多かったです。定期購読していたので、毎週新しい版が届きます。読まないで放置しておくのはもったいないので、少しでも読むようにしていました。

今になって良いと思う学習法は、日本の英字新聞を読むことです。Japan Timesが有名ですが、値段の安いDaily Yomiuriでもかまいません。こうした英字新聞の記事の中でも、あいて日本の話題を取り上げて読むとよいです。「〇〇県の〇〇小学校に刃物をもった男が侵入した」とか「政府が原発の再稼働を検討している」といった記事です。こうした話題ならば、テレビなどで既に内容を知っているでしょう。知っていることなので、英語を読み進めるうえで、内容がわからなくなることがありません。むしろ、これは英語でこう表現するのだと参考になります。逆によくないのはFinancial Timesのような外国の英字新聞を買って、自分のよく知らない分野の記事を読むことです。例えば、ナイジェリアの大統領選挙の話題など読んでいても、人物も背景もわからず、嫌になって投げ出してしまいます。目的は英文読解力を付けることであって、海外の情報収集を一緒に狙わなくても良いのです。

英作文力をつけるには

日本の中高校では英作文はそれほど重視されていないと思います。定期試験でもせいぜい数行の日本語を英語に直すくらいでしょう。おそらく教員が日本人なので、あまり長い英文を書かれても、チェックしきれないのだと思います。途上国で調査等の仕事をするなら、英語でペーパーを書くということはとても重要です。同僚でも英語を書くことに慣れていない人は、やたら箇条書きが続いたり、図表ばかり多用した原稿を作っています。それども通用する場面はあるでしょうが、国際機関の報告書などをみると、そういった原稿を目にすることはまずありません。

私の場合は大学生時代に英語の専門学校に通いました。今は無いようですが、津田塾大学系列の専門学校で、英文ライティングコースを幾つかもっている学校でした。ここで、短い英文から、英文エッセイまで書き上げる練習をしました。教員は英米人で、厳しく指導してもらいました。「文章をHoweverから始めては絶対にいけない!」とか、「Discussは他動詞なのでDiscuss aboutとは言わない。こんどそんなこと書いたやつは殺す!」とか怒鳴られていたことを思い出します。ここで教わったことは今でも役に立っていると思います。

正直、正確な英文を書くということは難しいです。ドイツ語はルールに従ってかけば間違いが少ないと言いますが、英語はすこし曖昧なところがあるようです。ネイティブでないとよくわからないようなところがあると思います。イギリスの大学院に留学していた時に、英文ライティングで困って、アメリカ人の同級生に質問したことがあります。文中の冠詞をaにすればよいのかtheを使うべきなのか迷ってしまったのですが、しばらく考えたあとの同級生の回答は「うまく説明できないけれどtheだと思う」というものでした。ネイティブでもちゃんと説明できないことを、われわれが完璧にマスターすることは無理だと思いました。実は、日本の学生時代にアメリカ人の同級生の日本語文章を添削してあげたことがあります。日本語で読み書きのできる学生だったのですが、やはり文章を読むと手を入れることころが多かったです。接続詞の「は」と「が」の区別などは、うまく説明はできないのですが、間違っているということはわかります。英語のaとtheも似たようなところがあるのかもしれません。

英会話力をつけるには

イギリスへの留学前に一番心配したのが英会話力だったのですが、結果的にはこれが一番たやすかったです。英会話力というのは、難しく考える必要はないと思います。誤解をおそれずに言えば、カラオケでうまく歌を歌える力のようなものだと思います。学力みたいに考えるものではありません。たとえば、タイに半年くらい住んだ知人がタイ語を話せるようになっていたら、「へーすごい」とは思いますが、学力があるとは思わないでしょう。大切なのは、外国語の音を聞いて、正確に判別して、それを自分で再現することのできる力です。カラオケで歌をうまくまねることができる力と同じようなものだと思います。

こうした力を身に着けるのは英語だけの環境に身を置くことが一番です。そのためには、短期であっても、留学が最適です。できればホームステイがいいです。朝起きて、朝食を食べて、学校にいって、同級生と話をして、帰りにお店で買い物をして、クリーニング店で服をうけとって、家に帰って、夕食を食べて・・・といった一連の生活を毎日毎日英語で繰り返していたら、3か月後くらいには誰でも英語を流暢にしゃべるようになります。

それから片言の英語でも堂々としゃべる度胸も必要です。ビクビクして聞き役だけに回っていたら、なかなか環境にとけこめないし、英会話力もつかないです。私の場合、幸いだったのは、留学中の同級生に英語のヘタな中南米人が多かったことです。初めは私もメチャクチャな英語を話していたことと思いますが、同級生から「すまない。いまわからなかったからもう一度言ってくれないか」などと言われると、自分に責任があるとは全くおもわせず、「しょうがないやつだな、リカルド。もう一度ゆっくり言うから良く聞いてねー」なんて返していました。同じことを英国人から言われていたら、へこんでいたかもしれません。

まとめ

英文読解力、英作文力、英会話力のどれも、途上国で仕事をするうえで重要です。その中でどれが一番重要かと言えば、英文読解力でしょう。英会話力だけでもあれば、何とか仕事をしているフリをすることはできます。しかし、良い仕事をしようとおもったら、英文読解力が不可欠です。50ページ~200ページの英文レポートをどんどん読みこなして、情報を蓄積させて、自分の仕事に活かしてゆかねばなりません。英作文力も大切ですが、書かれている内容が素晴らしければ、多少の言い回しの稚拙さは大きな失点にはならないはずです。報告を受け取って読む側もネイティブとはかぎりませんし。

留学中でも一番大変だったのも英文読解です。日本の大学の授業ならば、一つの英語論文を3か月かけてゼミで輪読するといったペースでしょう。でも、留学中は一つの授業だけで、来週までに4本の英語論文と3冊の英書を読んで来いといった宿題が普通にでていました。そんな授業が一日3コマくらいあると大変でした。とにかく、図書館でヒーヒーいっていた記憶があります。留学前は英文読解力だけは大丈夫だと思い、英会話力に心配していたのですが、行ってみたら全く逆でした。これは英米の大学に留学した経験のある人なら、皆同じような経験をしているのではないでしょうか。

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