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中国はアフリカ開発に貢献するのか(2)

中国はアフリカ開発に貢献するのか(2)

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日本は依然として猛暑が続いているようですが、アジスアベバは真逆の気候で、今は年間で一番寒い時期です。もちろん北半球なので、季節的には夏なのですが、標高が高くてもともと気温が低いうえに、今は雨期なので太陽がでていません。だから、日中でも気温は十数度くらいです。朝は息が白くなります。ホテルには暖房が無いので、ダウンジャケットを着こんでじっとしています。そんな寒いなか、先日、知り合いの国際機関職員の方のお宅に食事に招待されました。そこに同機関のエチオピア人スタッフも招かれていたので、最近話題の対アフリカ中国進出ついて、彼の意見を聞いてみました。以下は私と彼とのQ&Aです。

Q:中国の進出はアフリカにとって有益と思いますか?

A:もちろん有益である。中国はアフリカに必要なインフラを整備してくれる。アフリカ経済の活性化に大きな貢献をしている。

Q:中国はアフリカの資源を搾取するばかりで、現地経済に貢献していないという批判がありますが、どうなのでしょう?

A:中国のアフリカの鉱物資源に大きな関心を持っていることは確かであるし、その確保を目的に投資を行っているのも事実である。だが、こうした批判をおこなう欧米諸国はどうだったのかというのか?欧米諸国であれ、いままでアフリカから資源をどんどん持って行ったのではないか。中国が今同じことをしているからといって、欧米諸国がこれを批判するのはおかしい。

Q:中国の急速なアフリカ進出に対して、エチオピア国民の中には戸惑いや困惑があるようですが。

A:たしかに、中国企業は労働者まで自国からつれてくるので、現地で雇用を生まないといった批判はある。また安価な中国製品の輸入によって、地元の製造業が打撃を受けているという状況もあるだろう。中国の進出があまりに早く進んでいるので、困惑している人々がいてもおかしくない。だが、我々アフリカ人は中国人と敵対していた過去がない。一方、ヨーロッパ諸国はアフリカを植民地化していた過去がある。アフリカ人はこの悲惨な歴史を今でも覚えている。例えば、植民地時代、ヨーロッパ人は炭鉱で子供を酷使し、ノルマを達成できない子供の手を切るようなことまでした。アフリカ人はこうしたことを言い伝えてきている。だから、ヨーロッパ人には複雑な感情がある。一方、中国にはこのような感情を持っていない。中立的な気持ちで中国を受け入れることができる。

Q:欧米諸国はアフリカの独裁政権に対しては経済制裁を実施して、その国の民主化を支援したりします。一方、中国はそうした独裁政権にも援助をしています。これにより民主化の進展を阻害しているという批判もありますが。

A:欧米諸国だってこれまで自国の利益のためにアフリカの独裁政権と手を組んできた。リビアのカダフィ大佐を欧米が支えてきたことがその象徴である。他にも似たような事例は山ほどある。欧米諸国の手だって汚れている。今さら、きれいごとをいって中国を非難するのはおかしい。欧米諸国が民主化など政治的な条件を付けてくるならば、アフリカは欧米との関係を切って、中国と手を組むことができる。中国が進出してきてくれたおかげで、アフリカには選択肢が一つ増えたことになる。これは歓迎すべきことである。

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このエチオピア人職員は、国際機関に就職しているくらいだから、高学歴でエリート中のエリートです。英語も流暢だったので欧米に留学経験があるのかもしれません。視野の狭い国粋主義者といった感じではありませんでした。中国に対する彼の意見は、アフリカのエリート層の中の一つの見方を代表しているかもしれません。

おそらく、アフリカ人だって、独裁政治や専制政治を良いと思っているわけではないのでしょう。基本的人権の保障や、政治の民主化を願う気持ちは強く持っているはずです。しかし、欧米諸国から、上から目線でこれを要求されるのには、少しうんざりしているのかもしれません。自国の政策にまで口をだされたり、ましてや経済制裁をされたりするのはやりすぎと思っているのでしょう。ヨーロッパに対して「これまでお前たちは我々に何をしてきたか覚えているのか!」といった感情もあるのでしょう。手がさんざん汚れているのに、口から美しい言葉ばかりでてきても、素直に受け止められないのでしょう。だから、(アフリカでは)手が汚れていない中国に対する期待が大きいのだと思います。日本も欧米諸国と口を合わせて中国を批判するのではなく、アフリカ人の見方も踏まえて、広く深い視点から中国進出を見てゆく必要があると思います。まだ、抽象的な言い方しかできませんが、このテーマはしばらくフォローしてゆこうと思います。

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