国際開発ナビ

International Development Navigator

これから開発途上国で活躍したいと考えている皆さんに向けたサイトです。
国際協力キャリアフェア

国際協力キャリアフェア

このエントリーをはてなブックマークに追加

本日は東京の市ヶ谷駅の近くで国際協力キャリアフェアに参加してきました。主催者によると「将来、国際協力の業界で活躍を考えている人たちのキャリアアップを応援するイベント」とのことです。参加したのは、開発コンサルタント企業が10社ほど、国際協力系の大学が10校ほど、NGOが5団体ほど、あとは外務省、内閣府、国際協力機構(JICA)といった政府機関のブースでした。私の会社もブースを一つもらい、社員数名で参加者の皆さんへの説明にあたりました。 

 私がブースにいたのは午前中からお昼までで、午後は同僚と交代しました。こうした活動に参加したのは二回目ですが、前回は何年も前のことだったので、ずいぶん久しぶりでした。11時から2時ごろまでブースに座り、全部で8名ほどの来訪者にご説明をしました。私がお話したのは、最年少が大学3年生、最年長が38歳、男女比は半々でした。皆さんが国際協力分野で仕事をしたいけれど、具体的にどういった仕事なのか、どういった資質が求められているのか、どう準備すれば良いかといった悩みを抱えておられました。

お会いした中で一番に回答をしやすかったのは、既に政府開発援助の業界の中で何らかの仕事についている人でした。具体的には、外務省でインターンをしているとか、JICAの契約社員をしている人です。だいたい大まかなことがわかっておられるので、こちらも、ポイントをついた説明ができます。逆に一番回答がしにくかったのは、関心分野がグラグラしている人です。「環境の仕事をしたいです。でもやはり評価にも強い関心があります」といった返事をする人です。私は環境分野にも評価分野にも詳しくないので、もっと適切な人や会社などを紹介できるのですが、この人の関心はどっちだろうと思ってしまいます。

何名かの方とお話ししていると、だいたいパターンのようなものが見えてきました。以下は代表的なパターンの方と応対した際の応対です。皆さんの参考にしていただければ幸いです。

Aさん(大学3年生)「国際開発に関心ある。特に教育分野。そろそろ就職活動をする時期だけれど、開発の仕事も選択肢にいれるか迷っている」

私のアドバイス「もしも留学資金があるなら欧米の大学院で関心のある分野の修士号をとることをお勧め。その後であらためて国際開発分野の仕事に挑戦するのが一番スマート。一方、今すぐに留学する資金がないのであれば、まず教育分野などの一般企業に就職して5年くらいは働いてはどうか。そのくらい働けば、教育分野で実務経験を積むことができよう。そして5年後に、まだ国際開発に関心があるのなら、働いて貯めたお金をつかって、欧米の大学院に留学するとよい。修士をとってから、改めて、国際開発分野の仕事に挑戦してはどうか。教育分野の実務経験があって、欧米の大学の修士号も持っているなら、開発コンサルティング業界は歓迎するだろう。」

 Bさん(欧米の大学院修士二年目)「イギリスの大学院の修士課程にいる。開発の仕事を探している。開発コンサルティング企業に就職したいが、どこも3年くらいの社会人経験を求めている。どうしたらよいか。」

私のアドバイス「私自身も大学院から直接に今の会社にはいったし、そういった同僚は他にもいる。気にせずに開発コンサルティング会社に履歴書を送ってみて構わないと思う。ただ、各社が社会人経験を求める理由もわかる。それは志望者に何らかの専門性を期待しているからだろう。途上国に技術協力をするのだから、本当は自らに何らかの技術(専門性)があることが前提となっている。何らかの業界で数年働くことで、当該分野の経験を多少とも積んで、そのあとで、その経験を活かせるような開発協力をするという選択肢もある。」

 Cさん(日本の大学院修士課程二年目)「開発の仕事をしたくて国際協力専門課程のある日本の大学院の修士課程に入った。卒業後はこの分野での仕事につきたい」

私のアドバイス「修士号を持っているのなら学歴は問題ないが、あなたに欠落しているのは海外経験である。開発コンサルティングは英語力がなければ始まらない。留学して学位をとるとか、海外で仕事につくといった経験が必要であろう。例えば外務省は、各地の大使館で働く専門調査員を年に1回募集している。JICAにもジュニア専門員といった制度があるはずである。こうした職種に応募して、3年間くらい途上国で働いてみてはどうか。終わって日本に帰ってくれば、開発コンサルタント業界の門戸も大きく開くと思う。」

 Dさん(商社勤務38歳)「今の仕事に不満はないが、国際協力の仕事に関心がある。国際開発コンサルタント業に転職するかどうか迷っている。修士は持っていない。留学経験はない。」

私のアドバイス「開発コンサルティング業界では英語力が不可欠であり、その意味でも欧米の大学で修士号をとっている人が望まれる。実際、そのような人の応募がとても多い。あなたの場合、今から留学して修士号をとって、開発コンサルティング業界にチャレンジするのは、ちょっと遠回りに思える。開発コンサルティング業だけが国際協力をしているわけではない。むしろ、今の仕事を通じて得た専門性を活かして、ボランティア的に、あるいは副業として国際協力に参加してはどうか。貿易業の経験をお持ちなら、例えば、途上国でのフェアトレードの活動を支援してはどうか。プロの視点でNGOのフェアトレード活動をサポートしてはどうか。先方も大いに喜ぶことだろう。」

 以上です。開発コンサルティング業界では、基本的に新卒者はあまり募集していないです。やはり、開発協力に取り組む前に、何らかの業界である程度働いて、専門性を身に着けてきてほしいという考えがあると思います。開発への熱い思いだけでは、コンサルタントして売り物にならないのでしょう。人生長いのだから、急いで国際協力の業界に入らなくても、まず教育、金融、流通、メーカーといった様々な業界で実務経験を積み、その後、それを活かす形で国際協力分野に入ってくるのがスマートなのでしょう。ただ、私自身はこうした経験を積まずに、留学しただけで、そのまま今の会社に入ったので、あまり説得力がないのですが。

それからもう一つ。キャリアフェアでは求人広告を掲示するパネルがいくつか展示されていました。開発援助コンサルタント業界の求人もありましたが、一社だけ「正社員」の広告をいっぱい出しているところがありました。この業界はそれほど拡大しているわけではないので、この会社だけ「正社員」を多く募集しているのは違和感があります。実は、この会社は勤務時間が長く、給料が安く、待遇が良くなないという悪評のある会社です。だから若手社員がどんどんやめてしまいます。私の会社に転職してきた人も一人二人ではありません。こうした状況だから、去って行った社員の補充が必要なのでしょう。「正社員募集」の裏にこういった事情があることは、知らないとちょっと不都合ですね。

 

下は今日のキャリアフェアの写真です。

キャリアフェア1

キャリアフェア2

国際協力キャリアフェアは、今年は終わってしまいましたが、来年も今ごろにやると思いますので、ご歓心があったら申し込んでみてください。今年のフェアの主催者のサイトは以下です。

http://www.idj.co.jp/?p=991

« »

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>