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アフリカ ミニ知識

アフリカ ミニ知識

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先日、東京で、あるメーカーで外国市場開拓を担当している方とお話しをしました。アフリカ市場への進出にも関心があるとのことでした。ただ、現時点では欧州やロシア市場の開拓が精いっぱいで、まだアフリカには手を付けていないようです。私の知っている範囲で、アフリカの現状についてお話しましたが、「えーーー、そうなんですか」みたいな反応が多くて、こっちも驚いてしまいました。タイやベトナムといったアジア諸国と違って、アフリカ諸国は遠すぎて、馴染みなないです。アフリカの話題は、最近はテレビで紹介されることも多いですが、まだまだステレオタイプ的に受け止められているのでしょう。そこで、アフリカに関して誤解されているのではないかと思うことを、少し纏めてみました。

1.アフリカは貧困国だから物価が安い

アジアとアフリカを比べたら、一般にアフリカの方が貧困問題が深刻です。しかし、だからといってアフリカの方が物価が安いとは限りません。むしろ、アフリカはモノの値段が高いです。たとえば、ホテルの値段が全然違います。タイのバンコクのような大都市で、出張者がある程度の中級ホテルに宿泊する場合、一泊6000円か8000円くらいで泊まれます。食事をしても1000円もだせば結構豪華が料理が食べれます。ところが、アフリカの都市の場合、中級ホテルでも一泊1万円くらいは覚悟しなければなりません。ナイジェリアのような危険な国では一泊2万円くらいのホテルに泊まることが必要となります。食べ物の値段も一般にアジアより高いです。現地スタッフの人件費も同じで、アフリカの大卒者の給与レベルはアジアの大卒者の1.5倍から2倍くらいはすると思います。

なぜアフリカで物価が高いかについてはいろいろな理由があります。まず全般的にインフラ整備が進んでいないので、光熱費や運送費等が高く、それがモノやサービスの価格に影響します。例えば停電が日常茶飯事なので、ホテルには自家発電装置が不可欠です。半日も停電していたら、自家発電装置を稼働するだけの燃料代はものすごいです。第二に、製造業が育っていないので、いろいろなものを輸入しなければなりません。スーパーマーケットにゆくと、国産品はごくまれで、加工食品から文房具、衣類までほとんどが輸入品です。良いものはヨーロッパから、中級品は中東から、廉価品は中国からといったラインアップです。そして第三に教育水準が低いため、高等教育を受けた人材がとても少なく、こうした人々の賃金が高くなるからです。東南アジアなら地方の田舎でも中卒はあたりまえですが、アフリカだと中卒者を探すのが大変です。ましてや大卒などめったにいません。日本人レベルの給与を提供しないと雇えないことも珍しくないです。アフリカに旅行、出張する際には、出費がかさむことを覚悟しなければなりません。

2.アフリカ人は肌の色が黒い

肌の色は国により異なります。あるいは同じ国でも人によって違います。昔、ケニアに行ったとき、本当に黒い人がいて、最初は珍しかったです。仕事相手とホテルの薄暗いロビーで待ち合わせしていたのですが、「どこ?」「だれ?」といった感じでした。私にはとても先方を判別できなかったので、あえて皆さんの前をウロウロ歩いて、私を見つけてもらうことにしました。夜に暗い屋外で会おうものなら、目だけ歩いているといった感じでした。

しかし、こうした黒い人はアフリカ全土では実は少ないような気がします。私が昨年まで頻繁に通い詰めていた東アフリカのエチオピアでは、国民の多くが茶褐色です。アラブ人と混血しているからだという説があります。また、昨年に短期で訪問した南部アフリカのモザンビークでも、現地の人々はそんなに黒くなかったです。やはり茶褐色ですが、アラブっぽい感じではなく、むしろ大洋州っぽい感じでした(○○ネシア系)。大洋州の島々の人と混血しているかもしれません。西アフリカのガーナやナイジェリアはどうかというと、バラバラでした。黒い人も褐色の人もいました。

3.アフリカは野生動物の宝庫

これもYES and NOでしょう。たしかにケニアやタンザニアには野生動物の保護公園があり、世界各地から観光客が訪れます。ナイロビの郊外にも自然公園があり、キリンやシマウマが普通に暮らしています。でも、このようなところは、実は少ないように思えます。乱獲で野生動物が減少しているところも多いでしょうし、そもそも動物の生育に適していないとこも少なくないと思います。例えば、エチオピアの多くは乾燥地帯で、乾季には植物すら目にすることがありません。野生の生き物といったら禿鷹とハイエナくらいしかいませんでした。

植物もそんなに珍しいものは目にしません。ガーナの首都アクラには自然公園があり、珍しい植物があるかと期待していったのですが、これといったものはありませんでした。ポケモンのラフレシアみたいな奇妙な植物はアフリカではなく、むしろアジアか南米にあるのではないでしょうか。鳥も普通で、極彩色のすごいヤツは見かけませんでした。 

4.アフリカにはアフリカの文字と言語がある

アジア諸国であれば一国に一つの言語があるのは珍しくありません。ベトナムならベトナム語、タイならタイ語、インドネシアからインドネシア語があります。文字だって固有のものがあり、タイ、ラオス、カンボジア、ローマ字以外の文字を使っている国も少なくないです。もちろん日本だってそうですね。

しかし、アフリカでは固有の言語というものは、アジアほどには確立していません。16世紀から欧州に植民地化されましたが、それまでに成熟した現地語や現地文字を持っていませんでした。だから、植民地化後は英語、フランス語、ポルトガル語などの宗主国の言語が公用語として導入され、今に至っています。アフリカでは基本的にこうしたヨーロッパの言語で行政やビジネスを行っています。もちろん各国には数多の現地語がありますが、家族や友人の間で日常的に使われているだけで、行政やビジネス言語として広く使われているわけではありません。

もっとも、タンザニアやケニアでは英語とならんでスワヒリ語という言語があります。これも実はアラブ人が現地人とコミュニケーションするために開発した言語で、厳密には現地語ではないです。ケニアでは英語の方がよく使われていますが、タンザニアだとスワヒリ語が広く普及しているようです。

私の知っている限り、現地語を公用語としている唯一の例外はエチオピアです。エチオピアにはアムハラ語という固有の言語があり、文字もあります。これがエチオピア連邦政府の公用語になっています。アムハラ語がいつどこで開発されたかはよくわかっていないようですが、一説によると、数百年前にキリスト教正教とともに、アルメニア地方から伝わってきた言語のようです。もともと聖書で聖職者用に開発された文字が普及していったそうです。ただ、エチオピアの場合もアムハラ語を好んで使うのは、アムハラ民族だけで、他の民族は自分の言語を公用語としても使っています。この辺が複雑です。

だから、アフリカで(サハラ以南のアフリカ)仕事をしようと思ったら、英語かフランス語だけでまず大丈夫です。モザンビーク、アンゴラなど旧ポルトガル植民地ではポルトガル語が公用語ですが、周辺国が全て英語圏なので、英語を理解する人が多いはずです。エチオピアでもだいたい英語が通用します。

5.アフリカは暑い

アフリカ出張から帰ってきて、「現地は寒くて大変だった」などと言うと驚かれます。日本ではアフリカ=暑いというイメージが定着しているのでしょう。もちろん、地域によっていろいろでしょうが、意外と気温が低いところがあります。なぜなら、アフリカ諸国は欧州によって植民地化されたところがほとんどで、欧州人が入植しやすい温暖・冷涼な地域に都市が作られたからです。ケニアのナイロビがその典型で、高原にある町です。エチオピアのアジスアベバも標高が高いところにあります。だから、寒い季節は本当に冷えます。朝夕は息が白くなります。

私の経験だと、世界で本当に暑いのは、アフリカではなく中東や南アジアです。一昨年の夏にサウジアラビアに出張にゆきましたが、あまりの暑さに笑ってしまいました。おそらく50度以上あったでしょう。5分も屋外にでていると、うぶ毛が焼けてくる感じでした。

とりあえず、アフリカ ミニ知識は以上です。思いついたら続編を作ります。

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