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中国のアフリカ進出

中国のアフリカ進出

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政府開発援助の業務などで、アフリカ諸国に滞在したり、出張する日本人は少なくないです。私自身も昨年の秋までエチオピアのプロジェクトに参加していました。アフリカにいる日本人であれば、年々まわりで中国人の数が増えてくることは実感しているはずです。エチオピアでも首都で見かける中国人の数はどんどん増えてきました。中華レストランの数も増え、数か月に一軒くらいのペースで新しい中華レストランが登場したような感じでした。 

アフリカ大陸全体でどのくらいの中国人がいるかは、はっきりとした統計がありません。南アにはアフリカで最大の中国人コミュニティがあり30万人くらいが居住しています。他では、ナイジェリア、ガーナ、スーダン、エチオピア、タンザニア、アンゴラなどでの居住が多く、それぞれ数万人程度の中国人が暮らしています。在アフリカ中国人の中には、国営企業の実施するプロジェクトに従事するエリートも少なくないですが、多くは雑多なビジネスをするために地縁、血縁を頼ってやってくる民間人です。

多くの中国人がアフリカに押し寄せるようになったのはせいぜい10年ほど前からです。エチオピア人に聞いても、5~6年ほど前には中国人なんて見たことなかったと言います。あまりに多くの外国人が短期に来訪すると、現地で様々な摩擦を起こします。中国商人が中国製の安価な商品を持ち込むので、地元の製造業が淘汰され、小売り・流通業が混乱します。山岳地で砂金が採れるガーナでは、中国から無許可の採掘業者が2万人も押し寄せ、大きな社会問題になりました。アフリカ諸国で地元の人と話していても、「中国人に一軒家を貸したら、いつのまにか20人くらい住んでいた」、「中国人は現地人労働者の扱いがひどい」といった苦情を聞くことが多いです。市民レベルでは中国人への反感や違和感があります。

しかし、政府レベルでは中国の進出は概ね歓迎されています。中国政府は巨額の投融資を行い、インフラ整備や資源開発に大きな貢献をしてくれたと感謝されます。国営企業が運輸や電力、通信セクターでインフラを整備し、そして、エネルギーや鉱物資源を採掘します。一方、民間人は中国から安価な製品を持ち込んで販売し、次第に現地生産も始めます。こうした経済的な進出が、現地経済を活性化させています。実際、2012年の実質経済成長率の上位30か国のうち、約半数がサブサハラ諸国になっています。

これまで西側諸国は、アフリカ諸国に対して「構造調整」を促し、重債務を削減し、そしてミレニアム開発目標の達成を求めてきました。しかし、アフリカを飢餓と貧困の不幸から引き上げるには目立った成果をあげることができませんでした。一方、アフリカを純粋な市場として、あるいは資源の供給元と見て入ってきた中国の方が、経済成長という点では優れた成果をあげているように見えます。

もちろん、中国の進出は様々な社会問題、環境問題、汚職問題などを新たに引き起こしている側面はあります。市民の反中感情は、近年の経済成長の成果が社会で広く享受されていないことの裏返しかもしれません。しかし、中国の進出をきっかけに、これまで誰からも忘れられていたアフリカが、グローバリゼーションの潮流に向けて押し出されてきたのは事実です。ビジネスという目でアフリカが見直されるようになったのも、中国が進出したことによるものでしょう。日本企業もアフリカの市場や資源に大きな関心を示すようになっています。これから中国とアフリカとの関係がどうなってゆくのか、日本の開発協力や企業投資はこの関係にどう向き合うのか、いずれも目が離せないテーマです。

モザンビークにある中国人商工会議所(2013年10月撮影)

DSCN2936 

ガーナの中国大使館(2013年10月撮影)

中国大使館

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