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援助と能力開発の関係

援助と能力開発の関係

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先日、ジャカルタでオーストラリア大使館と現地政府が共催する会議に出席してきました。私たちがインドネシアで実施しているプロジェクトは、オーストラリアの援助プロジェクトの一つと姉妹関係のようなものになっており、その縁があってこの会議にオブザーバーとして招かれたのでした。オーストラリアの援助と関係している様々な省庁の代表が一堂に会する大掛かりな会議でした。オーストラリア人が多く出席した会議ということもあり、インドネシア政府の出席者は英語で発言していました。だから会議の内容が私にもわかりました。

 会議のテーマはオーストラリアがガバナンス分野で実施している二つのプログラムの統合の影響についでした。オーストラリアも、日本の援助でいう「長期専門家派遣事業」と「技術プロジェクト事業」の二つの形態を実施しており、これらを統合してマネジメントの効率化を図ろうとするものでした。出席者からは特に反対意見はでず、オーストラリア側の提案がそのまま通ったような感じで会議が終わりました。

省庁の代表者が盛んに指摘していたのは、能力開発(capacity development)は時間がかかるという点でした。オーストラリアはインドネシア政府職員を対象にコンサルティングや研修等を実施しているけれども、実際に職員の能力が向上するには時間がかかる。長期的な視野をもって、長い年月継続して支援してほしいといった意見が多くでました。

オーストラリア側も長期のコミットメントが必要という点では同意しており、援助額の限界はあるものの、長く協力を続けてゆきたいと返答していました。

インドネシア側もオーストラリア側も両者がハッピーな感じで、円満に終わった会議だったのですが、なんか釈然としない印象がありました。「政府職員の能力開発には時間がかかる」というのはその通りだとおもいます。しかしだからといって、「オーストラリアの援助の長期継続が必要」という結論には至らないのではないでしょうか。むしろ、外国人アドバイザーがあまり長く傍にいると、それにだんだんと頼ってしまって自立できなくなってしまうのではないでしょうか。

外国の知見を取り入れることは大いに有益でしょうが、一定期間の技術支援を受けたら、あとは自分の頭で考えてゆくべきでだと思います。そうでないと、本当に自国に適した制度なりシステムを生み出すのことができなくなる気がします。外国人の知見は優れているでしょうが、その国の事情を理解するには限界があります。やはりある段階に至ったら、自国人が自分の頭で考えてゆかねばならないのではないでしょうか。

日本も明治初期に多数の「お雇い外国人」から技術を学びましたが、決して何年もこうした外国人に依存していたわけではないです。すぐに日本人の技術者の活用へと転換しました。お雇い外国人の給料が日本政府にとって大きな負担だったことが、その理由の一つだと言われています。

オーストラリア政府の技術協力の場合(日本も同じですが)、専門家の派遣費用は全部オーストラリア政府持ちです。インドネシア政府の負担はほぼゼロに等しいです。だから、なるべく長期間継続してほしいということになるのでしょう。しかし、あまり長く外国人に助けてもらい続けることによって、自分で判断することを忘れてしまわないようにしてほしいものです。

下はこの会議の際の写真です。経済調整省の大会議室が会場でした。

EKUIN160826

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