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ジャカルタ州知事講義デモ 2016年11月4日

ジャカルタ州知事講義デモ 2016年11月4日

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日本では報道されていないかもしれませんが、2016年11月4日(金)の午後、ジャカルタはちょっと不穏な雰囲気にありました。市内目抜き通りに3~4万人の集団が集まり、ジャカルタ州の知事への抗議のデモを行ったのです。当日は、警察や軍が厳重な警戒態勢をとりましたが、中心地は車両通行が阻まれ交通が混乱したそうです。

「そうです」というのは、実際に自分の目で見ていないからです。日本大使館から在留邦人に警戒警報が出され、緊急の用事がない限り、市内中心部には近寄らないように言われていたからです。私の職場もホテルもデモ集団が集まる場所とは数キロ離れていたので、抗議運動には全く影響がありませんでした。それでも、夕方にホテルに戻る途中で、抗議運動につかった旗を振りながら移動する車をいくつか目にしました。どんな感じのデモなのか興味もあったのですが、大使館からはイスラム国の自爆テロもあるかも知れないなどと情報提供されていたので、近づくのはやめました。そのかわりメディアに掲載された写真を添付します。

jakartapost161104  cnn161004

Jakarta Post紙(2016年11月4日)          CNN(2016年11月4日)

抗議のきっかけは些細なことです。州知事がイスラム教を冒涜する発言をしたというのが理由です。アホックというニックネームで呼ばれている州知事は中華系のキリスト教徒です。来年早々に州知事選挙があるため、各地で選挙運動をしています。その際に、「非イスラム教徒はイスラム教の国の指導者になるべきでないとコーランに書いてあるなら、私に投票しなくてもいい」といった趣旨の発言をしたのだそうです。この発言がイスラム教を冒涜するとみなされました。イスラム教徒が大半のインドネシアで、そもそも中華系キリスト教徒がよくジャカルタ州知事になれたものだと思いましたが、実は2014年まで彼は副知事でした。当時の州知事が大統領選挙に出馬するに伴い、自動的に副知事から知事に就任することになりました。ちなみに、その時に選出された大統領が今のジョコウィ大統領です。つまり、現州知事は大統領の片腕だったことになります。

こうしたデモはどこまで政治的に影響力があるのかわかりません。純粋な抗議というよりも、アホック州知事の政敵が多額資金を投じて群衆を動員したという部分もあるといわれています。しかし、イスラム教徒の、特に都市部の若手貧困層の中華系エリートに対する強い不満がデモの裏にあるような気がします。噂によると、1997年のアジア通貨危機の際には、数多くの中華系住民が殺戮されたそうです。

インドネシア経済は中華系資本が支えているという側面もあると思うのですが、中華系住民は安心しては生活していないのでしょう。貧富の格差が大きくなるにつれ、こうした問題が再燃するような危惧があります。

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